歯を守る・治す

歯周ポケットが深いと言われたらどうする?歯周病の進行度と治療方法を歯科医師が解説

「歯周ポケットが6mmありますと言われた」

「歯周ポケットが深いと、かなり歯周病が進んでいるのでしょうか?」

「手術や抜歯が必要になるのではないかと不安です」

歯科医院で歯周病の検査を受けた際に、

「歯周ポケットが深いですね」

と言われ、不安になったことがある方もいらっしゃると思います。

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間にある溝のことです。

歯周病が進行すると、この溝が徐々に深くなり、その中にプラークや歯石が入り込みやすくなります。

ただし、まず知っていただきたいのは、

「歯周ポケットが深い=すぐに手術や抜歯」ではない

ということです。

歯周ポケットの深さは、歯周病の状態を判断するための重要な情報の一つですが、数字だけで治療方針が決まるわけではありません。

出血の有無、歯を支えている骨の状態、歯の揺れ、歯石の残り方、噛み合わせなどを総合的に確認する必要があります。

そのうえで、まず歯周基本治療を行い、どこまで改善するのかを確認します。

この記事では、歯周ポケットが深いと言われたときに何を意味するのか、どのような検査や治療が必要になるのかを、根室市のアークデンタルクリニックがわかりやすく解説します。

そもそも歯周ポケットとは何でしょうか?

歯と歯ぐきは、完全に密着しているわけではありません。

健康な状態でも、歯と歯ぐきの境目には浅い溝があります。

この部分を測定し、歯周病の状態を確認する際に用いられるのが「歯周ポケット」です。

歯と歯ぐきの境目にプラークがたまり、その中に含まれる細菌によって炎症が起こると、歯ぐきが腫れたり、歯と歯ぐきの付着が失われたりして、歯周ポケットが徐々に深くなります。

さらに歯周病が進行すると、炎症は歯ぐきの奥へ広がり、歯を支えている歯槽骨にも影響が及びます。

そのため、歯周ポケットの深さは、

「歯周病がどの程度進んでいる可能性があるのか」

を知るための重要な手がかりになります。

歯周病の原因や進行、当院で行っている治療については、「アークデンタルクリニックの歯周病治療について」もあわせてご覧ください。

歯周ポケットは何mmなら正常なのでしょうか?

患者さまから最もよく聞かれるのが、

「何mmなら大丈夫なのですか?」

という質問です。

一般的に、健康な歯ぐきでは歯と歯ぐきの溝は浅く保たれています。

一方で、歯周病によって炎症が進むと歯周ポケットが深くなっていきます。

ただし、

「4mmだから軽症」
「6mmだから重症」
「7mmだから必ず手術」

というように、数字だけで単純に判断することはできません。

同じ6mmでも、

  • 出血があるか
  • 歯槽骨がどの程度残っているか
  • 深い部分に歯石が残っているか
  • 歯が揺れているか
  • 根の形が複雑ではないか
  • 噛み合わせの負担が強くないか

によって、治療方法は変わります。

大切なのは、

歯周ポケットの深さを「診断そのもの」ではなく、「判断材料の一つ」と考えること

です。

歯周ポケットはどのように測るのでしょうか?

歯周ポケットの深さを調べる検査を「プロービング検査」といいます。

目盛りのついた細い器具を、歯と歯ぐきの間にそっと入れて深さを測定します。

この検査では、深さだけではなく、

測定したときに出血するかどうか

も重要な情報になります。

出血がある場合には、その場所に炎症が残っている可能性があります。

さらに歯周病の検査では、

  • レントゲンで歯槽骨の状態を確認する
  • 歯の揺れを調べる
  • プラークの付着状態を確認する
  • 噛み合わせを確認する

など、複数の検査を組み合わせます。

つまり、

歯周ポケットの深さだけを見るのではなく、お口全体の状態を確認して判断する

ことが大切なのです。

歯周ポケットが深いと、なぜ問題なのでしょうか?

歯周ポケットが深くなると、大きな問題があります。

それは、

歯ブラシだけでは、ポケットの奥まで十分に清掃できないこと

です。

毎日丁寧に歯磨きをしていても、深い歯周ポケットの底まで歯ブラシの毛先を届かせることはできません。

その結果、ポケットの内部にプラークや歯石が残りやすくなります。

さらに深い歯周ポケットの中では、歯周病に関係する細菌が増えやすい環境がつくられます。

そのままにすると、

深い歯周ポケットが残る

プラークや歯石が残りやすくなる

炎症が続く

歯を支える組織がさらに失われる

という悪循環につながる可能性があります。

そのため、「何mmあるか」を測るだけではなく、

その深い場所にある原因を取り除けるか

が治療では重要になります。

歯周ポケットが深いと言われたら、まず歯周基本治療を行います

歯周ポケットが深いからといって、最初から手術をするわけではありません。

まず行うのが、歯周基本治療です。

歯周基本治療では、

  • 正しい歯磨き方法の確認
  • 歯間ブラシやデンタルフロスの使用
  • 歯石の除去
  • 歯周ポケット内の清掃
  • スケーリング・ルートプレーニング
  • 必要に応じた噛み合わせの調整

などを行います。

特に、歯ぐきの中にある歯根表面に付着した歯石を取り除く処置が重要です。

必要に応じて局所麻酔を使用しながら、歯根表面に付着した歯石や汚れを除去します。

ただし、重要なのは、

「一度歯石を取ったら治療終了」ではない

ということです。

歯周基本治療を行った後に、歯ぐきがどこまで改善したのかを再度確認します。

歯周病の原因や進行、当院で行っている治療については、「アークデンタルクリニックの歯周病治療について」もあわせてご覧ください。

治療後の「再評価」で次の治療を決めます

歯周基本治療を行った後は、再び検査を行います。

これを再評価といいます。

再評価では、

  • 歯周ポケットが浅くなったか
  • 出血が減ったか
  • 歯ぐきの炎症が改善したか
  • 歯の揺れが減ったか
  • 患者さまご自身で清掃しやすくなったか

などを確認します。

ここで十分に改善していれば、その状態を維持するためのメンテナンスへ進みます。

一方で、

基本治療を行っても深い歯周ポケットが残る場合

があります。

その場合には、

「なぜ改善しないのか」

を詳しく考えます。

たとえば、

  • 深い部分に歯石が残っている
  • 歯根の形が複雑で器具が届きにくい
  • 奥歯の根分岐部に問題がある
  • 歯槽骨に大きな欠損がある

などの理由が考えられます。

その結果によって、次の治療方法を検討します。

深い歯周ポケットが残った場合は歯周外科を検討することがあります

歯周基本治療を行っても深い歯周ポケットが残る場合には、歯周外科治療を検討することがあります。

代表的な方法の一つが、

フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)

です。

局所麻酔を行ったうえで歯ぐきを一時的に開き、歯根や周囲の骨を直接確認できる状態にします。

そうすることで、通常の治療では見えなかった、

  • 歯根深部に付着した歯石
  • プラーク
  • 炎症性の組織
  • 歯槽骨の状態

などを確認しながら処置できます。

つまり歯周外科は、

「歯周ポケットが深いからすぐに行う手術」ではありません。

まず歯周基本治療を行い、その後の再評価でも改善が十分でない場合に検討する治療です。

歯周外科がどのような治療なのか、どんな場合に必要になるのかは、「歯周外科とは?どんな場合に手術が必要になるのか」もあわせてご覧ください。

歯周ポケットが深いと、歯を抜かなければならないのでしょうか?

「歯周ポケットが深い」と言われたとき、多くの患者さまが心配されるのが、

「この歯は抜かなければならないのでは?」

ということです。

しかし、

歯周ポケットが深いという理由だけで、すぐに抜歯が決まるわけではありません。

歯を残せるかどうかは、

  • 歯を支える骨がどの程度残っているか
  • 歯根の状態
  • 歯の揺れ
  • 根分岐部の状態
  • 噛み合わせ
  • 歯根破折の有無
  • むし歯の状態

などを総合して判断します。

歯周基本治療によって改善するケースもあります。

必要に応じて歯周外科を行い、歯を残す可能性を検討できるケースもあります。

一方で、歯を支える組織が大きく失われているなど、長期的な保存が難しい場合には抜歯を検討することもあります。

大切なのは、

「ポケットが何mmか」ではなく、「その歯を今後も安定して使える可能性があるか」

を見ることです。

「できるだけ歯を抜かずに残したい」とお考えの方は、「歯周病で歯を抜かないためにできる治療とは?」もご覧ください。

歯周ポケットが浅くなれば、もう安心なのでしょうか?

治療によって歯周ポケットが改善しても、それで歯周病が完全に終わるわけではありません。

プラークが再び蓄積すれば、歯周病が再発・進行する可能性があります。

そのため、治療後も、

  • 毎日の歯磨き
  • 歯間ブラシやフロス
  • 定期的な歯周ポケットの確認
  • プラークや歯石の除去
  • 歯の揺れの確認
  • 噛み合わせの確認

を継続していくことが大切です。

特に重度の歯周病を治療した場合には、

メンテナンスまで含めて歯周病治療

と考えることが重要です。

治療して改善すること。

そして、良い状態を長く守ること。

この両方が、歯をできるだけ長く残すことにつながります。

治療後に良い状態を長く維持するための方法については、「予防・メンテナンスについて詳しく見る」をご覧ください。

歯周ポケットについてよくある質問

歯周ポケットが6mmあると重度の歯周病ですか?

6mmという数値は、健康な状態と比べると深い歯周ポケットです。ただし、歯周病の状態はポケットの深さだけでは判断できません。出血、歯槽骨、歯の揺れなどを含めて総合的に確認します。

歯周ポケットは治療すると浅くなりますか?

炎症が改善し、歯ぐきが引き締まることで歯周ポケットが浅くなる場合があります。ただし、歯周病の進行程度や骨の状態によって改善の程度は異なります。

深い歯周ポケットは歯磨きだけで治せますか?

歯磨きは非常に重要ですが、深い歯周ポケット内部の歯石を歯ブラシだけで取り除くことはできません。歯科医院での専門的な治療と、ご自宅でのセルフケアの両方が必要です。

歯周ポケットが深いと必ず歯周外科が必要ですか?

いいえ。まず歯周基本治療を行い、その後の再評価によって必要性を判断します。基本治療で十分に改善すれば、歯周外科を行わずにメンテナンスへ移行できる場合もあります。

歯周ポケットが深いと必ず抜歯になりますか?

いいえ。深さだけで抜歯を判断することはありません。歯槽骨、歯根、歯の揺れ、噛み合わせなどを確認し、歯を残せる可能性を総合的に判断します。

歯周ポケットが深くても痛くないのですが、治療は必要ですか?

歯周病は強い痛みがないまま進行することがあります。そのため、痛みがないから問題がないとは限りません。深い歯周ポケットを指摘された場合は、現在の状態を詳しく確認することが大切です。

根室市で「歯周ポケットが深い」と言われた方へ

「歯周ポケットが6mmあります」

「かなり深いですね」

そう言われると、

「この歯はもう残せないのでは?」

「手術が必要なのでは?」

「抜かなければならないのでは?」

と不安になる方もいらっしゃると思います。

しかし、

歯周ポケットの数字だけで、治療方法や歯を残せるかどうかが決まるわけではありません。

アークデンタルクリニックでは、歯周ポケットの深さだけではなく、

  • 出血
  • 歯槽骨の状態
  • 歯根
  • 歯の揺れ
  • 噛み合わせ
  • 歯石やプラークの状態

などを確認し、お口全体を評価します。

そのうえで、まず歯周基本治療を行い、どこまで改善するのかを確認します。

それでも深い歯周ポケットが残る場合には、歯周外科など、次の治療が必要かどうかを検討します。

私たちが大切にしているのは、

「数字だけを見て治療を決めるのではなく、その歯をできるだけ長く使うために何が必要なのかを考えること」

です。

歯周ポケットが深いと言われた方。

歯周病がなかなか改善しない方。

できるだけご自身の歯を残したいとお考えの方。

まずは現在のお口の状態を詳しく確認することから始めてみてください。

    → 歯周病治療について詳しく見る

歯周病治療について相談する

※歯周病の診断や治療方法は、歯周ポケットの深さだけでなく、出血、歯槽骨、歯根、歯の動揺、噛み合わせ、全身状態などを含めて総合的に判断します。実際の治療方針は診察・検査後に決定します。

執筆・監修:歯科医師 名古屋肇

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